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Nintendo Dream Vol. 112

Text transcription of a Pikmin 2 interview from magazine Nintendo Dream Vol. 112, provided by my friend @yawarakaika2525.

Lot of interesting information here, especially the details on them cooperating with other companies' brands for the treasures.

-Page 22-
ピクミン2 人類代表インタビュー
ピクミン2には牛乳ビンのフタやゲームウォッチなどが登場し昭和時代に子供だった現在の大人に懐かしさを感じさせます今回のインタビューに登場した3人の人たちはみんな昭和40年代前半(1965年から1970年)に生まれました平成(1990年以降)生まれのあなたも昭和(1965年頃)生まれのお父さん方も年齢は秘密にしているお姉さん方もみんなでこの記事を読んでください

コラム
ピクミンはもともとピキというタイトルで開発されていました。「ピクミンというタイトルは、「ピキピックミー(pick me)」、そしてピクミンと変化して決まりました

-Page 23-
日野重文(ひの しげふみ)さん
担当:ディレクター
誕生日:1966年3月13日
出身地:兵庫県
彼がこれまでに関わったゲーム:ヨッシーアイランド(SNES)ヨッシーストーリー(N64)ピクミン(GC)
大切なもの:色んな思い出

阿部将道(あべ まさみち)さん
担当:ディレクター
誕生日:1969年1月24日
出身地:大分県
彼がこれまでに関わったゲーム:1080° スノーボーディング(N64)ピクミン(GC)
大切なもの:ファミリー

山口亘(やまぐち わたる)さん
担当:アートワーククレイイラストレーション
誕生日:1968年3月2日
出身地:大阪府
彼がこれまでに関わったアートワーク:ポケットモンスター赤1080° シルバーストーム(GC)ピクミン(GC)
大切なもの:家族


なすびのようなピクミン
記者:ピクミン2の発売日は緑の日(4月29日)なんですね
阿部:ええピクミンにぴったり合うでしょう
山口:ピクミン2のパッケージでも緑を背景にして白のピクミンが並んでいます
記者:ピクミンでは赤黄のピクミンが登場していたので新しく登場するピクミンは緑色だろうかと想像していました
日野:紫ピクミンは実は最初は緑色でしたあれどうして緑色ではなくなったのだろう…?
山口:それはあなたが反対したからでしょう()
日野:そうでした()。「ピクミン2に新色のピクミンを登場させようと決まったときそれについて色々議論しました緑色のピクミンもひとつの候補としてありましたしかし私がなすびのようなピクミンを見たい…」と言ったので紫色が採用されました
山口:私は緑色の方がいいと思っていたのに採用されませんでした()
阿部:緑色とは言っても葉っぱのような緑色ではありませんでした限りなく黒に近いコガネムシ(Scarab beetles)の色のような暗い緑色でした
日野:私はどうしてもなすびのようなキャラクターが欲しかったのです
山口:実は紫ピクミンは日野をイメージしています
記者:絶対そうだろうなと思っていました()
阿部:私たちも紫ピクミンのことを日野ピクミンと呼んでいました()

記者:ところで3人ともニンテンドードリームには初めて登場するのですよね?「ピクミン2では前作と同じく日野さんと阿部さんが共同でディレクターを務められたそうですねどうやって仕事を分担したのですか
日野:私は力仕事を担当しました()
記者:それはあなたが紫ピクミンに近いイメージだからですよね()
阿部:はっきりと誰がどこを担当していたかを説明することは難しいですが…。
日野:当初の役割分担では私がゲームデザインを監修しました阿部がデータ管理というよりかはプログラマを統括する役割を担当しましたこうしてピクミン2の開発が始まりました
記者:山口さんが担当されたアートワークというのはどういうお仕事なんですか
山口:パッケージや取扱説明書の制作と広告や雑誌に掲載されるロゴやイラストの制作が主な仕事です近年私自身はマリオファミリーに関連するイラスト全般の監修にも携わっています
記者:ピクミンのクレイモデルを作られたのも山口さんですか
山口:はい私が一人で作りました今日持ってきたクレイモデルは現在使われているものとは顔が違いますこのモデルは一番開発初期の段階のときに宮本に見せるために作ったものですしかし開発が進むほど紫ピクミンの顔が変わっていったので別のものを作り直しました

(画像の説明:これは山口さんが持ってきたクレイモデルですなんと紫ピクミンに尻尾が生えています)


時間を気にせず遊べるゲーム
記者:ピクミン2の開発はいつ始まったのですか
日野:前作の開発が終わってまもなくつまりは2002年の年末頃に始まりました
記者:前作の発売直後から宮本さんが次回作について話されていました。「ピクミン2は昨年の秋に発売される予定だったのに発売が延期されたのはなぜですか
日野:その頃は発売日も決まって、「ピクミン2の完成は間近でしたしかしもう少し作り込むことによって、「ピクミン2はより良くなるのではないかと考えて発売を延期しましたそして昨年の秋からこの春までの期間を調整に充てたのです
阿部:大きなシステム変更があったわけではありませんゲームを遊んだ時のやりごたえを高めるためにゲーム序盤の展開なども含めてじっくりと調節を行いました
日野:ゲームシステムはそのまま変更せずに演出やデモ映像ピクミンと出会う順番など全ての面を見直しました
記者:デモ映像といえばオープニングデモの出来は素晴らしかったです
阿部:オープニングデモに関してはそれを見ただけでゲームの目的がわかるようなものを目指して制作しました
記者:オリマーは家族に会わずにすぐにピクミンの星へ戻るんですよね()
阿部:そう私たちと同じように彼は会社のために家にも帰らないでひたすら働きます()
山口:私は彼は一回くらい家に帰るべきだと思いましたが()

記者:そもそもピクミン2ではどういうプレイ体験の仕組みを作ろうと考えていたのですか
日野:私はとにかくプレイヤーにクリアしてもらえるゲームを作りたいと思っていました前作を開発した当時はこのゲームシステムがベストだと思っていましたしかし30日間でクリアしなければならないという制限があったため前作は実際にはかなりストイックなプレイ体験だったんですそこで今作の開発ではまず日数制限を外すことに関する議論から始めました

コラム
前作ピクミンの開発中ピクミンが現在のデザインに近づいてきた段階ではピクミンは黒いものしかいませんでしたまた彼らの体長は30cmから50cmほどで子猫くらいのサイズでした


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(時間を気にせず遊べるゲームの続き)
記者:日数制限がないとプレイ体験が間延びしたものになるとは思いませんでしたか
日野:ええそしてそこを補うためにピクミンを増やせない地下洞窟を考えついたのです地下でのお宝集めで前作が持っていたストイックなプレイ体験を行え地上では日数制限をなくしてのんびり探索できるそんな仕組みが成り立つように私たちは新しいゲームシステムを構築していったのです
記者:前作を遊んだ人なら日数制限が無かったとしても効率よくゲームを進めていきそうです
日野:探索した日数は数えているのでプレイヤーはより短い時間でクリアを目指すという遊び方も自由にやっていいと思いますちなみに一日の終わりに届くメールは早くクリアした人よりゆっくりクリアした人の方が色々なものを読むことができます

(画像の説明:社長やオリマーの妻と子供たちがメールを送ってきます迷惑メールが紛れていることもあります)

記者:日数制限がないということは99日を過ぎると画面右上の日付表示はどのように表示されるのですか
阿部:100と表示されます999日を過ぎると1000と表示され9999日を過ぎると10000と表示されますとにかくやればやるほど日数は増えていくのです桁数が大きくなると数字は小さいサイズで表示されます
日野:数字が小さすぎて読めなくなるほど長く遊べます()
記者:すごい借金返済までにそんなに長く日数をかけたら借金の利息が増えたりしないのですか()
阿部:実はその案もあったのですが実装はされませんでした

(画像の説明:前作ピクミンではパーツ集めが進んでいようがいまいが30日間しかピクミンの星にはいられませんでした)


機嫌のいいピクミンが歌う愛のうた」】
記者:前作の開発中から黄以外のピクミンを登場させることについては考えていましたか
阿部:前作のエンディングではその3色以外のオニヨンが登場しましたよねでも新しい能力をもつピクミンについて考え始めたのは、「ピクミン2の開発が始まってからのことです前作をプレイした人が、「こんなピクミンがいたらいいねと思えるような能力を考えました1匹で重いものを運べるピクミンや足の速いピクミンがいたら便利だし嬉しいでしょうだから新しいピクミンの能力は割とピクミン2開発初期の段階で既に決まっていました
記者:新しいピクミンにオニヨンを持たせなかったのはなぜですか
阿部:新しいピクミンに貴重さを出したかったからです便利で嬉しくなるような能力を持っている代わりに彼らは他のピクミンのように簡単には増えませんだから彼らを大事にしながらゲームを進めなければいけないのです

記者:前作にはなかったピクミンの仕草は例えばどんなものがありますか
日野:色々ありますよ私たちは知らなかったような仕草もありますプログラムを担当したスタッフがピクミンの色んな仕草を仕込んでおいてくれたのです前作にあった溺れているピクミンを青ピクミンが助けるという動作は実は私たちが知らないうちにそのプログラマが仕込んだのですだからピクミンの細かい仕草にどのようなものがあるのか私たちも楽しみにしています
阿部:そういえば、「ピクミン2ではある条件を満たすとピクミンが鼻歌を歌うんです彼らは前作のCMソングも歌ってくれます
記者:本当ですかどういう条件で彼らはそれを歌ってくれるのですか
日野:それは秘密ですヒントとしては鼻歌は機嫌のいいときに歌うものですよね()

(画像の説明:大ヒットした前作のCMソングのCDこの号が発売される頃には、「ピクミン2のCMが放映されているはずです)


前作ピクミンの秘密のメモ
前作ピクミンの誕生の秘密を知らないあなたはこのコーナーをチェックしてください
(参考資料:本誌2002年1月号と米国の任天堂が発行したPIKMINプレイヤーズガイドここに掲載されている発言は全て2001年10月から11月のものです)
宮本:マリオの続編のようなものではないまったく新しいゲームを作ることを目的に1999年の春頃にピクミンの開発が始まりました
阿部:キャラクターは見たこともないようなものを操作方法も今までにないようなものを作れと指示されました
宮本:最初の実験段階ではピクミンは現在の姿と全然違うキャラクターでした彼らはアダムとイブという名前でした
日野:デザイナーが集まって打ち合わせをしたときに多くのキャラクターを同時に画面に出すためにはキャラクターデザインはゲーム機本体が簡単に処理できるものにすべきだろうと考えましたそこで作ってみたのが球状の胴体に目と鼻がついているキャラクターだったのです
宮本:最初のゲームのテーマはこのキャラクターたちの暮らしを観察することでした自分が神のようになって彼らへ愛や闘争心を与えるのですすると彼らは巣を作ったり子供を産んだりしますですが開発を進めるうちにもっとプレイヤーがゲームの世界に関われるようにしたいと考えるようになりましたCスティックを使って群れ全体を動かしたいというような欲求ですやがて彼らを掴んで投げられるくらい彼らに干渉できるようになりました()
阿部:自分で積極的にゲームプレイに関わりたいと思っていたので開発初期の段階からメインキャラクターは自らどんどん動かしたいと思っていました
宮本:私がどうしてもゲームに入れたかったのは夕方になってその日が暮れていくという部分です私は自分で蒔いた種は自分で刈るというのが世の中のマナーだと思っていますだからまだすべきことが残っているのに無情にも1日が暮れていくという要素にはこだわりました
宮本:ここゲームがまだアダムとイブだった頃は舞台は原始時代をイメージしていました村がいくつかあってマンモスと戦って戦闘後に味方の種族が何人残るかを見るというような内容のゲームでしたチャッピー(Bulborb)最初はマンモスくらい巨大な生物だったのですデザインは変わっていないのですが()でも開発を進めるうちにもっと身近なところを舞台にすべきだと考えました
日野:背景をどうするか考えたときに森の中を覗き込んだような地形にするというアイデアがありましたその一方でピクミンの動作からピクミンは蟻のようなものだというコンセプトが確立しつつありましたこの2つのアイデアがばっちり重なって現在のゲームの世界観にたどり着きました
宮本:残酷なものを作ろうとしたわけではありませんしかし残酷に見える要素を無くそうという態度はとりませんでした私も子供の頃は残酷な遊びをしましたが自分でピクミンを遊んだら残酷な遊びをした時と同じように心が痛みましたこのゲームを遊ぶ子供たちにもそういう感覚を受け取ってもらえたらいいなと思っています
宮本:ピクミンマネジメントや自然の摂理科学や数学について学ぶという面でとても素晴らしいゲームだと思います文部科学省にこのゲームを推薦してほしいと思っています()

コラム
粘土をこねたりガスバーナーでプラスチックを溶かすそんな作業を山口さんは会社の工作室で行うそうですなんだか任天堂は学校のような会社だな…。


-Page 25-
ホコタテ運送の新人ルーイの誕生の秘密
記者:プレイヤーキャラクターを二人にした理由はなんですか
阿部:前作ではピクミンが数箇所で仕事をしているときにオリマーがあちこちへ移動していましたですがもうちょっと便利に全体を見て回りたいと思っていたんですよパソコンのゲームだとマウスでカーソルを動かすだけで移動できるようなものもありますでもそういう風にただ便利にするだけではなくて新しいキャラクターを絡めながら便利にできたらいいなと考えたんです
記者:それではプレイヤーキャラクターを2人にすることは結構開発の早い段階で決まっていたのですか
阿部:そうですね新しいピクミンを2種類登場させて日数制限をなくしてプレイヤーキャラクターを二人にするというスタイルは開発の最初の段階で決まっていました
記者:オリマーとルーイを使い分けると便利ですよね
阿部:確かにそうですただこれは開発チームで議論したことなのですが2人が別行動しないとクリアできないというのはできるだけ無くそうと話しました2人で行動してもいいし別々に行動してうまく工夫すればどんどん便利になるというバランスにしようと

(画像の説明:このようにオリマーとルーイを別々の場所で行動させYボタンで操作キャラを切り替えると便利です)

日野:プレイヤーにオリマーとルーイを別行動させることをゲーム側から強制するのではなくプレイヤー自らがオリマーとルーイを使い分けたことで徐々にうまくなったということを体感してほしかったのですそれとどうしても2人プレイモードを入れたかったのでそのためにキャラクターがもう1人必要だったというのもルーイが登場した理由です
記者:宮本さんが前作に2P対戦を入れたかったと発言されていましたがそれがついに実現したのですね
日野:ピクミン2には2人で遊べるモードが2つありますが特に2Pバトルは秀逸ですよこのモードはピクミンのAIなどゲームシステムの根幹を担当したスタッフのこだわりの賜物なんです彼が最後まで諦めずに仕様からまとめてくれたおかげでこのモードはゲーム本編とは全く違った面白いプレイ体験に仕上がっています楽しみにしていてください

(画像の説明:上の画像は赤組と青組に分かれて対戦する2Pバトル」。下の画像は2人で協力してプレイできるチャレンジモード」。)

記者:ところで、「ルーイ(Louie)最初はルージー(Loozy)という名前ではありませんでしたか
日野:はいですが発音が英語のloserと似ていたので変更したのです
記者:プレイする人のなかにはオリマーとルーイを別行動させることの便利さに気がつかずにずっと2人で一緒に行動する人もいるかもしれません
阿部:だから別行動の便利さに気がついてもらうためにチュートリアルでは最初から別行動をしているんです
記者:ああなるほどプレイヤーに別行動をさせるためにルーイはオープニングで離れた場所に放り投げ出されたのですねこの展開はよりプレイヤーにとって役立つようにチュートリアルをしっかり作り込もうということの表れですか
阿部:そうですねそのために開発期間を延長したと言ってもいいくらいゲーム序盤の展開には気を使いました本当は私たちはゲームシステムを詳しく説明せずにシステムの把握をプレイヤーに任せたいと思っていました遊ぶ人が自分で色々試してシステムに気がついていってくれるだろうから説明しなくても大丈夫だろうとところがモニタにテストプレイをやってもらったところゲームシステムを理解しないままプレイする人が多かったんですだからやっぱり説明を増やしたり遊びやすくなるようにプレイヤーを導かなければならないと考えてゲーム序盤を大きく作り変えることになりました
記者:チュートリアルって開発者側としてはなくてもいいと思うようなものですか
日野:いいえチュートリアルは大事なものだと思いますゲームを開発するときはかなりの期間をかけてチュートリアルを作りますからね今回のピクミン2の開発でも発売を延期してからの期間にものすごい数のモニタをとってテストプレイをしてもらっています前作をプレイしていない人がどういうプレイをするかを調べると彼らは私たちが予想もしなかった動きをたくさんするんですそういう人たちがちゃんとプレイできるように全ての点をカバーするのは大変でした

(画像の説明:これはオープニングで一瞬見ることができるルーイの表情ですなんで彼はこんなに目つきが鋭いのでしょうか)

コラム
ルーイが初めてピクミンと出会うときなぜよだれを垂らしていたのかその理由はピクミンがホコタテ星特産のピクピクニンジンにそっくりだからですルーイは食いしん坊だなあ


-Page 26-
日本と海外でお宝は違う
記者:前作で集めた宇宙船パーツは丸いものばかりでしたが今作では四角いお宝も運びますよね
阿部:前作ではピクミンがきれいに輪になって運ぶ姿を見せたかったのです今作では四角いものも運びますが実はピクミンはやっぱり輪になって運んでいるのです()
日野:最初は丸いお宝ばかりを考えたんですでも丸いものばかりでは限度があってあまり面白くなかったんですどうしても四角い缶詰を登場させたくてそれを登場させてからは丸いものへのこだわりを捨ててお宝の形状は何でもありになりました
阿部:棒状のものもありますピクミンはそれを持ち上げて運びます
記者:それにしても、「ピクミン2は世界中で売られるゲームなのにそうとは思えないほど日本っぽいお宝ばかり登場しますよね()
日野:宝石やらをお宝にしなくても私たちが子供の頃にお宝だと思っていたものをそのままお宝として登場させればいいじゃないかと思いまして大人はものを大切に扱わず粗末にしがちですが子供の頃は牛乳ビンのフタを持っているだけでも嬉しかったでしょうなんであんなものを集めていたのか今ではもうよく分からないのですが()
山口:商標権の関係で海外版のお宝は日本版のものから変更されているものもあります日本版米国版欧州版のそれぞれで登場するお宝が違うんです
記者:日本版では登場しないお宝が登場するなんて海外版のピクミン2はまさにお宝ですね
日野:アメリカには牛乳ビンに紙のフタがないんですだからフタのお宝は全く別のものに変わります
記者:ピクミン2にはおにぎりなども登場しますよね
阿部:商標権の絡むお宝以外にもそういう日本限定のものは色々登場しますそういうものを海外版でも差し替えずにあえて残そうかという意見もあるんです
日野:実在するものをゲームに登場させるために商標権を持っている色々な会社と交渉する仕事をしましたそこでとても多くの人たちに協力をしていただきました商品を快くゲーム内で使用させてくれた国内と海外の企業にこのインタビューの場を借りて感謝を伝えたいと思います()

(画像の説明:商品によっては交渉が難航した企業もあったけれど牛乳の会社はどこも協力的だったそうですところであなたたちは牛乳ビンの紙のフタを開けたことはありますか…?)


お父さん方にも感慨を与えるお宝
記者:そもそもどうして実際に存在するものをお宝にしようと考えたのですか
阿部:ピクミン2お宝を集めていくゲームにすると決まったときに実在するものを集めた方がリアリティを感じられると思ったからです
山口:お宝として登場するものは私たちが子供の頃に目にしたものばかりなのですがね
日野:商品を提供してくれた各企業には少し難しいことをお願いしたんですそれは現在実際に入手できる商品ではなく既に廃止されたデザインの商品を使わせて欲しいということですだから見慣れたものでも現在手に入るものとはデザインが違うんです
記者:そういえば昭和っぽい雰囲気のお宝が多いですね
日野:ピクミン2どういった層にアピールするのかという議論をしたんですもちろん全年齢のゲームだという前提はあります前作は幅広い年齢層の女性に気に入ってもらえたと思うんですだからピクミン2では現在お父さんになっている世代にとっても感慨深いものが作れたらいいなと考えたのですそういうわけで30代から40代の人に懐かしく思ってもらえるようなお宝を登場させたのです
記者:その世代はあなたたちと同世代ですね
山口:最近のテレビ番組では私たちが青春時代に聴いた曲がよく流れていますよねそれは色んな会社で私たちと同世代の人たちがものを作ったり物事を決めたりしているからだと思うんです
日野:実在のものを登場させた理由はもうひとつありますそれはピクミンがどれだけ小さいかを分かりやすくするためですそのために画面上でのお宝のスケールにはこだわりました牛乳ビンのフタなど実在するものを置くことでピクミンの小ささがより伝わるだろうとゲームの舞台である惑星がどこなのかは明かしませんがプレイヤーに自分の日常のすぐそばでゲームのお話が起こっているような錯覚を起こしてほしいと願って見覚えのあるお宝を登場させました
記者:確かに前作と比べて、「ピクミン2の世界はより身近に感じます

(画像の説明:身の回りにあるものを運んでいるピクミンを見ると彼らの小ささを実感できるでしょう)

山口:コンセプトアートを前作のCGイラストではなくクレイモデルで作ろうというのも一番最初はゲーム制作チームからの提案だったんですその提案の理由はやっぱり温かみが欲しいからというかよりピクミンを身近に感じてほしいからでした
記者:ピクミンとクレイって意外な組み合わせですがとてもうまくいきましたね
山口:ただ単にきれいすごいかっこいいっていうイラストではなくてもう一歩踏み込んだところで見る人に何か他の感情を植え付けたかったんですうまく言えませんが何だか切なくなるような感情を…。
記者:それはアートワークを制作する上であなたがいつも考えていることですか

コラム
お宝として登場するファミコン(NES)ディスクシステム専用ディスクにはよく見ると謎の村雨城と記されていますこれが何か知らない人はお父さんに聞いてみましょう


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(お父さん方にも感慨を与えるお宝の続き)
山口:いつもではありません仕事の種類によります営業的な戦略やマーケティングに則って、「こういうものが目を引くだろう」「こういうのが人気だろうということを考えて描くべき絵もありますけれど例えばテレビのCMなどを見ているときに私たちがいいなと思えるものはそれを作っている人たちが本当に楽しんで作ったことが感じられるものなんですだから、「ピクミン2を遊んだ人の中に1人でもこのゲームやイラストはどういう人が作っているんだろう?」と考えてくれる人がいれば受け手の感情をつかめたということだと思います

(画像の説明:ドルフィン初号機(the ship)のクレイモデルは先端部分が開きますただし中身は空洞です)


頑張って生きていこうかと思えるゲーム
記者:ピクミン2はまもなく発売ですこれを待っているユーザーに一言メッセージをお願いします
日野:とにかくゲームの色々な部分が各スタッフの個性とこだわりのかたまりなのでじっくりと楽しんでください

(画像の説明:お宝図鑑(Piklopedia & Treasure Hoard)とあるスタッフのこだわりの結晶らしいですAボタンでピクピクニンジンを投げられるのはとっても嬉しい仕様です)

記者:宮本さんやあなたたちはいつもこの場にいない他のスタッフの仕事をアピールされますね
日野:ピクミン2のプレイ体験の部分の企画はその多くがプログラマが主導して行われているんですこの部分においては、「ピクミン2は任天堂の中でも珍しいスタイルで開発されている数少ないゲームのひとつなんです

記者:阿部さんのメッセージは
阿部:考えられる限り登場させたいと思ったことは全てこのゲームに入っているので自由に遊んでくださいのんびり遊んでもいいですし急ぎたい人は急いで遊んでもいいですし
記者:ピクミン2に関しては思い残すことはないですか
阿部:ないです
記者:ピクミン3用にとってあるネタがあるんではないですか
阿部:ピクミン3のことはそれを開発するときに考えます()

記者:最後に山口さんメッセージをお願いします
山口:ここ数年、「癒しが流行っていますよねピクミンも癒しキャラだと思われがちですが私はそれは少し違うと思うんです
記者:よくある深みのない癒しのCDなどとピクミンとは違うということですか
山口:そうです今回パッケージのデザインは女性のデザイナーに任せたのですが大人の女性が持つ優しさが感じられるデザインに仕上がっています生きることの厳しさを表しながら優しさも感じられるよな女性向けでも子供向けでもなく大人の男性向けでもないまさに全年齢に向けたこのゲームにふさわしいパッケージデザインになっています
記者:ゲームの中身からアートワークに至るまでそういうコンセプトはこのピクミン2で特に強調されていると感じました

山口:アートワークの素材の撮影で植物園に行ったとき私は広い場所に両手足を広げて寝転がって空を見たんですそんなことをしたのは小学生以来かもしれませんそのとき、「空の大きさと比べたら人間の大きさなんてピクミンと大差ないなと考えたんです空を見て、「自分なんてちっぽけな存在なんだと割り切ったからこそ、「こんな世知辛い世の中でも頑張って生きていこうかとわきあがってくるような感覚それが、「ピクミンの根底に流れているテーマだと個人的に思っていますこういう感覚を色んな年代の人に感じ取ってもらえれば嬉しいです
日野:パッケージには全年齢対象と書いてありますが私たちとしては全人類対象だと思っています()

コラム
ワイルドトラックス(SNES)というクレイモデルをアートワークに使ったゲームを知っていますかこのゲームは山口さんのデビュー作だそうです


-Page 28-
まだまだピクミンの話は続きます。】
画像の説明
山口:最初の頃はクレイモデルを持って1人で植物園などへ撮影に行っていましたそしたら幼稚園の遠足に出くわして子供たちが集まってくるんです。「なにこれー?」って言いながら僕は彼らから逃げ回っていました()けれどそれがきっかけとなって背景とクレイモデルを一緒に撮影することは諦めてそれぞれを別々にデジタルカメラで撮ったものをコンピュータで合成して仕上げるようになりましただからこのアートワークはすごくデジタルなイラストなのですがデジタルっぽくならないように手作り感や温かみを残すことに気を使いました

山口:最初のうちは自然を背景にピクミンを中心としたイラストばかり制作していましたしかし、「ピクミン2の発売を延期してからの期間に、「お宝のことをどんどんアピールしてと宮本から言われたんですだからアートワーク制作チームからもゲーム制作チームに、「こんなお宝を登場させてほしいという提案もたくさんしました
記者:この絵の具はどこのメーカーのものですか(画像を参照)
山口:カミトバ絵の具()…。(:カミトバ絵の具は実在しない会社ですちなみに任天堂の住所は京都市南区カミトバのホコタテ町です)あとこの画像に写っているこの猫は私が飼っている猫です名前はチーちゃんです
阿部:そうそう牛乳ビンのフタを開けるこの道具はこのイラストを見てゲームの中にも登場させたんです
記者:最近はパックの牛乳が主流なのでこの道具って見かけませんよね
阿部:若いスタッフの中には、「これなんですか?」って言う者もいるんです()
記者:これがジェネレーションギャップ()

コラム
ゲーム内に写真入りロケット(ペンダント)のお宝が登場しますこれに入っている写真は日本版では山口さんが飼っているチーちゃんですでも海外版では、「ピクミン2開発スタッフの1人である2Dデザイナーの飼い犬のゴンちゃんに替わる予定だそうですなんで…?


新しい生物
日野:うちのデザイナーたちもそうなんですが絵を描く人には虫や生き物が好きな人が多いみたいです私たちがスタッフにお願いしたのは、「実際にいそうだけどいないもの突拍子もないものよりは生々しいものという大まかな点だけでした今回は生物に気持ち悪さも入れたかったんですなんだか原体験(記憶の奥底に残る体験)に響くような

(画像の説明:初登場の生物には思わず気持ちわる!」と叫んでしまうようなものが多いです)


オリマー視点のカメラ
阿部:やっぱり景色をじっくりと見てほしかったのでこれを導入しました
日野:マップデザイナーたちがこだわったピクミンの世界を新しい視点でじっくり見てください
記者:前作のときに頭上視点では遊んでほしくないと宮本さんがおっしゃっていましたが今作でも頭上視点は残ったんですね
阿部:新しいカメラ視点でプレイする実験もしたのですがやはり頭上視点が遊びやすいのは事実なので現在の形に落ち着きました


ラブテスター
日野:任天堂は古い会社なんですトランプや花札にとどまらず過去にはたくさんの珍品も作ってきましたそれらがこのゲームの趣旨にぴったりだったので助かりましたそうそう麻雀牌や花札は子供が遊ぶゲームにはふさわしくないのではないかという議論もありましたですが任天堂にお願いしてあえてそれらも使わせてもらいました任天堂は古くから人々に娯楽を提供してきた会社なんだっていうことがどうしても伝えたかったんです

(画像の説明:ラブテスターとはゲーム内で手に入るお宝センサーの本当の名前その昔任天堂から発売された男女のラブ度を測るマシンですこれを開発したのはGBの生みの親である故横井軍平さん)


ランダム生成の地下洞窟
阿部:これはピクミン2の開発当初から実験研究を進めてきたシステムです色々試行錯誤を繰り返しましたが最終的には現在の矩形ユニットの組み合わせによるマップ生成のシステムになりましたオブジェクト配置はユニット固有のスロットから任意に選ばれセットされるという仕組みです行き止まりでもそこに行けばなにかいいことがあるかもしれませんよ


なくなった爆弾岩
阿部:前作でピクミンの基本性能を見直したところ黄ピクミンの爆弾岩関連のところだけプレイヤーが覚えなければいけない操作や機能がすごく複雑だったんです。「ピクミン2ではピクミンも5種類に増えたのでひとつひとつの要素は少しシンプルにしたほうがいいと考えましたそこでかなり思い切った決断でしたが黄ピクミンの爆弾岩の性能を変更しましたところでこれはちょっとしたテクニックなのですが対戦モードのからくちコース(Hostile Territory)に置いてある爆弾はプレイヤーが持って投げることができますただのちょっとしたお遊びですが試してみてください


-Page 29-
画像の説明
日野:宮本からはゲームの要所の重要なところで鋭い意見をたくさんもらっていますそもそも彼はピクミンのゲームシステムを考案した人ですからね


サウンド
日野:サウンドチームは最後の最後までこだわっていました最初ルーイの笛の音はオリマーと同じだったのですがキャラクターを引き立てるために変えたほうがいいだろうということで完成間近の時に変更してくれました。「ピクミン2はじっくりプレイしてほしいゲームなのですがそれは音楽をじっくり聞いてほしいという意味でもあるんです地上でも地下でも状況によってサウンドが変化するのでプレイヤーが体感するゲームの手応えはサウンドに依存している部分が大きいです
阿部:鳥のさえずりや蝉の鳴き声が聞こえてきますよそういうのを聞くとやっぱりこの近くにピクミンたちがいるんじゃないかと思えてくるかもしれません


カードe+
日野:これはもともとクリーチャーズさんが机の上で遊ぶ純粋なカードゲームを企画してくれたことから始まりましたそれはピクミンを題材にしたものすごく面白いゲームだったんですが色々な事情で発売には至りませんでしたそしたら今度は彼らはそのカードをカードeリーダー+で読み込めるようにしてGBAで遊べる新たなミニゲームを考えてくれたんですこれが面白かったのでこれならばいいだろうということでピクミン2と連携して遊んでもらおうということになりました


希望の森(Forest of Hope)とめざめの森(Awakening Wood)
阿部:これらは全く同じではないけれどいつか歩いたことがあると思える既視感を狙ってわざと似せた造りにしています
日野:これらは同じ場所かもしれないとか時間が流れて人間の手が入ったのかもしれないとか色々な空想をしてほしいです

(画像の説明:これは前作の希望の森」。やっぱりめざめの森に似ています…。)


ピキノツユクサ(Burgeoning Spiderwort)
日野:これは農耕っぽい遊びを作ってみたかったんです農耕と言ってしまうと何か大げさなものに聞こえてしまうのですがとにかく余分なものを排除して植物が育つ状態を作ったら実りを収穫できるというシステムですそれは私自身が地道に遊ぶというか採集する遊びが好きだったから思いついたことです

(画像の説明:ピキノツユクサの実が視界に入ると収穫せずにはいられなくなります)


ピクミンが影響を受けた作品
日野:前作の開発中キャラクターデザインをどうしようかと話し合っていたときにみんなで回し見たのがファンタスティックプラネットというフランスのアニメ映画です奇々怪々というかシュールで意味不明な映画なのですが()設定面ではありませんがデザイン面での影響は受けました

(画像の説明:ファンタスティックプラネットは1973年のフランスチェコ映画監督脚本はルネラルー巨大生物に支配されたある星の出来事を描いたアニメーションカンヌ映画祭特別賞を受賞したさっそく編集部でも映像を入手して見てみたのだけどあまりのシュールさに途中で寝てしまいました()というかこの映画のどのあたりにピクミンが影響されたのか全く分からないのですが…。)


4月29日緑の日に会いましょう